さて、今回マサ氏が購入したPC-9801UV11を見ていきましょう。
購入した機体はジャンク扱いとなっていたもので、FDD2(Bドライブ)が不調とのことでした。それ以外は特に問題がなく、電源を入れると元気に「ピコ」音が出ました。PC-286NF復活の時に使ったソフトをいくつか起動させてみますがどれもちゃんと動きます。 UVはコンパクトデスクトップと呼べる機種で当時のPC-98系デスクトップでは最も小さいサイズでした。UVは何世代かあり、初代は通常の横置きのみできたのですが、後期である本機は縦に置くことも考えられており、機種名やロゴが斜め書きになっているのに加え、側面にもゴム足がくっついていました。※写真のゴム足はマサ氏が購入後に付け替えたもの
後にこのサイズはi386SXの世代まで継続され、PC-9801USで一度途切れます。当時、パソコンは拡張してナンボなところもあったので、コンパクトすぎて拡張性がやや低くなってしまう、本機のようなタイプはあまり人気がなかったのかもしれません。
その後、Windows 2000あたりからスリムタワーと呼ばれる本機のような機体が再び出るようになり、UVは先見過ぎたのかと思ったものでした。 早速中身を見てみます。本機は一度マサ氏によって解体整備されているため、中は非常にきれいな状態です。小さい機体にFDD2機と電源、そしてでっかいCバススロットを備えている為、非常に詰まった中身になっています。FDD2が認識されないということなので、一旦全部ばらしてみます。
こちらがメインボードの様子。中央にV30(uPD70116)が鎮座しています。SDIP40pinという今ではほとんどお目にかからない堂々としたパッケージです。その上に同じサイズのソケットがあいてますが、こちらは数値コプロセッサ(i8087)を取り付けるためのソケットです。狭いのにコプロセッサソケットを用意しているというのは、本機がビジネス機としても使えるようにしているためでしょうか。残念ながら、FDD2は重症で簡単には直りそうになかったため、一度閉じてまたの機会に修理を試みます。 最後に会長手持ちのCバスSCSIをマサに進呈しました。こちらはPC-98DOで使っていたBuffalo(Melco)のSCSI-2 I/F IFN-SCです。90年代前半のインタフェースなのでPnPこそ対応してませんが、ほとんどの設定がグラフィカルに行えるという優れものです。でも、転送速度は所詮16bitバスなので・・・。(CPUも16bitなので当時はボトルネックではありませんでしたが・・・)
Cバススロットは本体をまったく開けずに増設できるのが最大の利点でしたね。
(K)