今週のプチ活動報告(2022/02/12) — HiSE/LSE先頭車デコーダのチューニング続き

こんにちは。かいちょうです。

先週に続いてチューニングを行います。
今手元にオシロスコープがない状態なので、何が起きているかを予想を立てて少しトライアンドエラー的に対策と効果を確認してみます。

まず最初に試したのは線路電圧を両線からの差分で測定する方法。作成した基板は、搭載されているマイコンRL78/G11のI/O端子から、片側線路のみ読み取る設計だったので、ちょっと強引ですがリード付き抵抗を使って両線をマイコンの空き端子にブリッジします。
プログラムも修正して両線の状態をマイコンから監視するようにします。しかし、多少安定したかなっと思う程度で実用域には程遠い感じでした。

続いて実施したのは、デコーダのMCU電源を安定化させるために容量追加です。取り急ぎ適当な100uFを付けてみました。
これは効果があったので、線路離線に伴うマイコン電源のふらつきが多少影響を与えている事がわかりました。が、これをそのまま採用するにはコンデンササイズが、車両搭載にはデカすぎますし、完全に誤判定がなくなったわけではなく不完全です。
やはりハード的な対策というよりソフト的な対策の方がよさそうです。
そこで、アナログモード時の判定アルゴリズムを変更。詳細は割愛しますが、これまでの単位時間での判定から、フィルタ処理を入れた上で判定する方法に変更をしてみました。
この変更で、ノイズがすごい、旧式のTOMIX 5001コントローラでもある程度まともな運転ができるようになりました。

改めて、DCCモードも含めて確認実験をしてみました。

こちらも新しいプログラムで問題なく動いているようです。(牽引というか、押しているのはHiSEの電動車)

この後、100uFを撤去しましたがそれでも大丈夫そうでした。

このようにプログラムをチューニングすることである程度なんとかなるケースだと助かります。
が、毎回プログラムを書き換える度にデコーダを車体から外すのは面倒なので、そろそろ線路からのファームウェアアップデートを考えなければと思っているところです。(技術的にはできるのですが、コマンドステーション側の環境構築とデコーダのソフト変更が面倒で二の足を踏んでました)

あとでオシロスコープが使えるようになったら、線路波形も測定してお見せしたいと思います。

今日はこの辺で。

(K)

今週のプチ活動報告(2022/02/06) — HiSE/LSE先頭車デコーダのチューニング

こんにちは。かいちょうです。

今日は昨年作成したHiSE/LSE用デコーダのチューニングを行いたいと思います。
ファンクションデコーダの場合、毎回作るたびにチューニングをしています。
具体的にはDCCで動いている時ではなく、従来型のアナログコントローラ動作時に対して行います。

アナログ動作時、デコーダがどちらに対して動いているのかを判定する必要があるのですが、様々な要因で誤判定することがあります。(DCCの時はデジタル信号をデコードしているのでこのような問題はおこりません)
他の製作者さんでも、アナログ運転は保証しないとしているケースもあるので、実は以外と難しい調整部分だったりします。

今回作ったデコーダもその症状が出たので、まずは解析とハード/ソフトでの対応を試みます。

まず、実験をしやすいように、空き端子にF0F, F0R確認用のLEDを搭載します。

このような形にすると、HiSE/LSEには搭載出来なくなる上、プログラムも頻繁に書き換えるので、別な人身御供実験しやすい旧車を引っ張ってくる必要があります。

今回抜擢されたのがこちら、30年選手のKATO クハ103(スカイブルー)です。このKATO 103系は技報Vol.3でも表紙を飾るほどDCC実験に参画しており、西武5000系レッドアローと並んで登場率が高い働き者です。常時、配線を接続できるようにすでに車内に端子を植えてあり、すぐに実験することができます。

実際に搭載した姿がこちら、まるでヤドカリみたいな感じですが、前述の通り書き換えができるようにするにはこの形が最適です。

ハードウェア的にはマイコンのI/O端子で線路電圧の状態を監視しているのですが、この端子が暴れている可能性を疑い、小容量のキャパシタ(9p)をのせてみます。


実験の様子がこちらです。直流安定化電源で安定した電源を線路に給電しているにも関わらず、ちょっと動かすと接触ノイズで進行方向を誤判定、ヘッドライト/テールライトが激しく入れ替わって点滅します。小容量キャパシタではダメなようなので、これから他の技も含めてチューニングを続けます。

今日はこの辺で

(K)

今週のプチ活動報告(2022/01/29) — TOMIX 現行2線式ポイント GR-KURUMIによる駆動

こんにちは。会長です。今回は現行のTOMIX 2線式電動ポイントをGR-KURUMIで動かしてみたいと思います。回路は同一ですが、プログラムでフォトリレーの開通方向を2線式に合わせて切りかえます。また、モータドライバも交流式ではなく直流式になるのでワンショットパルス波形を出す形に切り替えます。

早速動かしたときの波形が次の通りです。電圧はTOMIXのコントローラに会わせて12Vとし、TOMIXのポイント切り替え機と同じくらいの20ms励磁を行いました。こちらはすんなり動いてくれます。切り替えもスムーズです。流れる電流も小さいので、旧世代の3線式に比べて小さいエネルギーで動いてくれる設計になっていると言えますね。

電流波形はAC測定用CTなのであくまでも参考です。(おそらく正しくないでしょう)

2線式、および前回の3線式も連続で動かしてみましたが特に不具合もなくGR-KURUMI、モータドライバ、フォトリレーの組み合わせで動かすことが出来ました。よって、この組み合わせを基本的なコンポーネントとしてポイントコントローラを作れる・・・と判断しました。
まだいつ設計するかは決めていませんが、今後のアイテムとして少しづつ概要仕様を固めていきたいと思います。

次回はC99まで進めていたHiSE/LSE用デコーダのチューニングについて行いたいと思います。

それではこの辺で。

(K)

今週のプチ活動報告(2022/01/22) — TOMIX 旧3線式ポイント GR-KURUMIで矩形波駆動

こんにちは。かいちょうです。

こちら、前回の続きです。TOMIX 旧3線式電動ポイントをGR-KURUMIとフォトリレーおよびモータドライバで動かして、その時の電圧電流波形をオシロで測定してみました。

信号の流れ的には、GR-KURUMI–>モータドライバ/フォトリレー–>電動ポイントになっています。電圧電流を測るためにプローブも接続していきます。

GR-KURUMIは、Digital_write, wait関数を使ってポートを操作し、50Hz駆動を模した交流(実際は矩形波)がモータドライバから出力されるように、プログラムを作りました。3線式なのでポイントの操作方向を切り替えるときにはフォトリレーの導通を変更します。

こちら、電源に16Vを印加したときの波形です。ポイントは転換します。(励磁時間は本物の10倍ぐらいにしていますが、短くしても大丈夫でした)
波形は、一番上がモータドライバの出力部、真ん中がフォトリレーの出力、下が電流波形です。モータドライバが出力する電圧は矩形波なので、CTで取っている電流波形の頭はフラットになりません。(多分本物の電流プローブでも頭は平にはならない気がしますが)

今度は電源電圧を12Vぐらいまで下げてみました。波形の形は電圧が変わった分以外あまり変わりませんが、12Vだといくら励磁時間を長くしてもポイントは転換しません。電動ポイントのソレノイドは動き出すときに最もトルクが必要になるはずですが、12Vではエネルギーが足らず、動き出せないようです。ずっとほっておくと電動ポイントマシンが過熱してくるので、ほどほどで止めます。
元々のポイント用電圧が(負荷時に)17Vぐらいだったので、やはりそのくらいの電圧がないと動かないことがハッキリしました。

次回は現代的(?)な2線式の方も動かしてみたいと思います。

(K)

今週のプチ活動報告(2022/01/15) — GR-KURUMIを使ったポイント切り替え実験

こんにちは。かいちょうです。

今回はポイント切り替えの実験をしてみたいと思います。
前回実機の実験を行いましたが、次にいきなり回路を作るのはちょっとハードルが高いので・・・GR-KURUMIとブレッドボードを使ってプロトのプロトを作る・・・という位置づけです。
使うものはこちら、ブレッドボード用の線です。

こちら、Amazonで売っていた格安のケーブルなのですが、ケーブルの石油臭がすごいです。。。
安かったから仕方ないかもしれませんが・・・。
続いて使うのはサンハヤトのUSBシリアル変換モジュール MM-FT232です。
こちら、純正のArduino Pro Mini Writerに対して制御線がちゃんと出ている上、3.3V/5.0V切り替えができる便利なボードになっています。

こちら、購入時にはコネクタがくっついていないので、はんだ付けを行います。

部材がそろったので早速、GR-KURUMI、モータドライバ、フォトリレーをブレッドボードにつけていきます。モータドライバはサークルでよく使われているTOSHIBA TB6612を秋月のピッチ変換基板に乗せています。

フォトリレーは3線式と2線式を切り替えられるようにするために搭載しています。今回、このフォトリレーがちゃんと動いてくれるかがキーポイントと考えています。モータドライバ駆動信号とフォトリレーの切り替え信号はGR-KURUMIが出すという寸法です。

次回は動かした様子をオシロで測定してみたいと思います。

(K)

今週のプチ活動報告(2022/01/08) — TOMIX 旧3線式ポイントの電圧と電流

あけましておめでとうございます。 かいちょうです。
昨年は、C99弊サークルブースへのご来場ありがとうございました。
おかげ様で約3年ぶりに技報を発行頒布させていただくことが出来ました。
今年も引き続き工作を頑張りますので、どうぞよろしくお願いいします。

さて、今年初めての投稿になります。
今年一発目はちょっと趣を変えて原理実験を実施してみたいと思います。
なんの実験かと言うと、電動ポイントの電流です。

以前もちょくちょく投稿をしていたかと思いますが、DCCと並行して電動ポイントコントローラも検討していまして、実験をしていました。
今回はより一歩踏み出してマイコンでポイントマシンを動かしていたいと思いますが、その前に、純正品ではどのくらいの電圧と電流を流して切り替えているのかを確認したいと思います。

ちょうど一年ぐらい前にも電流を測っていたのですが、どうも結果にしっくりきておらず、再度測定をすることにしました。

題材に挙げるのはまず、30年選手のTOMIX 旧式電動ポイントです。

お約束の5001とポイント切り替え機を再び持ってきて、これまたお約束のオシロスコープで電流電圧波形を測定します。

オシロは電流用プローブ(マルチメータ用)と普通の電圧プローブを2本接続しています。

電流プローブはマルチメータ用(なのでただのCT構成、よってDCは測定できません)。
※本来はACもちゃんと測れているのか・・・という問題もありますが、TOMIX旧3線式はAC駆動なので大丈夫だろうと判断しました。

測定した波形はこんな感じです。一番上が電圧10V/Div、一番下が電流400mA/Divになります。励磁時間はおよそ25ms、ピーク電圧は15Vほど、ピーク電流は400mAという感じであることが分かりました。

繋ぎ変えて5001の出力電圧とポイント切り替え機からの出力を見てみましたが、通常は24Vぐらいの出力が出ているものが、ポイント切り替えの瞬間、負荷が重たいので17Vぐらいまで落ちていることが分かりました。

このくらいの電圧と電流であれば、手持ちのモータドライバ群でもなんとかなりそうです。

次回はマイコンを使って回路を仮組してみたいと思います。

(K)

今週のプチ活動報告(2021/12/31) — コミケットC99

 こんにちは。かいちょうです。

本日、コミケットC99に参加しております。
東 ト – 01b
にて最新刊 ヨシノローテック技報Vol.10 RL78マイコン工作を頒布中です。

皆様是非お立ち寄りください。

店員がいないように見えるのは気のせいです・・・。

(K)

今週のプチ活動報告(2021/12/18) — TOMIX LSE ヘッドライトユニット仮組み込み&点灯実験

こんにちは。会長です。

新設計したLSEのヘッドライトユニットに部品を乗っけて光り方の確認をしたいと思います。
(他の部分:中間車、先頭車、モータ車の室内灯部(DCC部)はまだ一部基板がそろっておらず、組むことが出来ません。。。)

こちらが基板と取付予定のテールライト(サイドエッジタイプの赤LED)です。今回の基板では、テールライトを両側に1つづず、真ん中に広角度な温白色のLED(サイドエッジタイプ)を置くことを想定しています。

やや部品が多いように見えるのは、電流制限抵抗とコネクタ、テストパッドがあるからです。制御する基板側(DCC部)がないので、リード線を直付けして安定化電源から電圧をかけてみます。

こちらがヘッドライトです。抵抗値は確か1kΩをチョイスしましたが、12Vでは明るすぎました。強力すぎて、サイドエッジタイプなのに上面の座席からも色がでてしまっています。

続いて、テールライトです。テールはほんのり光ればよいか・・・と思って、10KΩにしたのですが、これは暗すぎですね・・・。ただ、それでも座面から色が透けて出ています。元々の光量であれば全く問題がなかったのでしょうが、テールもヘッドライトもこの調子だとアルミかなにかの遮光版を座面と基板の間に入れる必要がありそうです。

今回の試し組で抵抗定数と遮光版の検討が必要であることが分かりました。実際に組み込む前に分かったので良かったですが、まだ細かい調整が必要そうです。
C99まであと二週間、残った基板が多数あるのですが、作業を加速して次週に組み上げた様子をご覧いただこうと思います。

それでは今日はこの辺で。

(K)

今週のプチ活動報告(2021/12/11) — TOMIX LSE 塗装工程終了

こんにちは。会長です。

塗装工程も終盤です。今日は、仕上げとして余分なところにある塗料を除去し、仕上げ材としてクリアを吹き付けた様子を報告します。

はい。これが最初にマスキングした座席の様子です。マスキングを剥がしたら最初に塗った赤もガッツリとマスキング部に浸透していることがわかりました。手間が数倍掛かって修正するのもさらに手間・・・が、仕方がありません、他と同様筆塗で床上面を全部塗ってしまいます。

作業スペースの様子です。複数のトレーを使って筆塗の最終修正前、修正後を置き分けます。
※(このトレーは郵便物の再利用品なので淵に赤いビニールがくっついていますが、塗料ではありません)

上面の最終修正が終わったら、今度ははくり液を使って座席裏面の余分な塗料をぬぐい取ります。
これをやっておかないと床板と車体に塗料が移ってしまいます。

そしてこの、つや消しクリア(TOP COAT)で表面を保護します。これまで、アクリル系、エナメル系を筆塗してきましたが、今回はスプレーで一気に行きます。

周囲をしっかり養生して、適度な距離から吹き付けます。
これにて塗装完了です。
次は届いた基板を組み上げて実際の動作の様子を見てみたいと思います。
記事を書きつつ急いで作業を進めます。

(K)

今週のプチ活動報告(2021/12/04) — TOMIX LSE 枕カバー塗装の結果

こんにちは。かいちょうです。今日は塗装の進捗をご報告したいと思います。

以前ご報告したように、最初の一枚だけはマスキングをして塗装。それ以外は下地となる赤(=座席モケット)は筆塗り直で・・・という形で進めてきました。
今回、モケットだけでなく枕カバーも再現したいなと思ったので、座席をマスキングしたものに同じくマスキングして枕カバーを塗ってみたいと思います。

早速マスキングして塗ったのがこちらです。一見きれいにできていると思いますが・・・いざ、マスキングを剥がしてみると・・・

こんな感じになりました。遠目でもバリバリに剥がれているのが目につきます。下地はエナメル系塗料。上地となる枕カバーはアクリル塗料だったのですが、割れが激しい。

ズーム撮影するとさらに無残です。マスキングの部分を通じて浸透してしまった上に、マスキングと一緒に剥がれてしまったところも出て全然奇麗じゃありません。これはマスキングしないで直接細筆で塗った方がいいんじゃないかと思ってきました。

で、実際、模型が得意な人に聞いた必殺の筆で塗ってみました。右が先ほどのマスキング版。左がマスキングせずに直接筆塗したものです。明らかに直接筆塗の方がきれいですね。(でも、拡大して見ないでください・・・)

ということで・・・わざわざ買って、張り付けたマスキングは以後使わないことにしました。。。
こういうのも経験と知識と技術ですね。。。

そろそろ基板を組み合わせて記事用の写真撮らないと・・・。

今日はこの辺で

(K)