活動予定(2015年12月度)のご案内

本年最終月となる12月の活動予定をご案内します。
今年最後の活動日は、昨年同様にスペシャルとして鉄道模型運転会を実施します。

参加をご希望の方がいらっしゃいましたら連絡先フォームまたはメールで事前にご連絡ください。

★連絡先フォームアドレス
http://www.yoshinolt.sakura.ne.jp/mailplus/index.html

★連絡先メールアドレス
yoshinolt_mailcontact(あっとまーく)yoshinolt.sakura.ne.jp

★活動場所
東大宮コミュニティセンタ
JR宇都宮線 東大宮駅西口下車 徒歩3分
〒337-0051 さいたま市見沼区東大宮4-31-1

★通常活動予定日
12/13 日曜日 14:00-16:00(東大宮:アトリエ工作室)
12/27 日曜日 14:00-16:00(東大宮:アトリエ工作室)

★鉄道模型運転会
12/27 日曜日 18:00-20:30(東大宮:アトリエ工作室)
※通常の活動後に同じ場所で運転会を開催します。

148-3107-1

(K)

今週の活動報告(2015/11/28)—その2 PC-98DO本体修理

続いてPC-98DOの本体修理です。

○PC-98DOの本体修理
電源部に続いて本体の電解コンデンサを交換し、メモリバックアップ用のニッカド電池を設置します。
こちらが本体表面の様子です。電解コンデンサは全部で17個もあり、基板が大きい事もあって交換はかなり大変です。
PC-98DO メインボード表実際、熱容量が大きく同じハンダゴテを使っているにも関わらず古いコンデンサが中々取れません。そうこうしている内にスルーホールを一か所駄目にしてしまいました。PC-98DO メインボード裏面裏面の画像。表面は割と大人しい感じでしたが裏はこの通り汎用ロジックが所狭しと乗っています。GNDパターンも広大なので電源部よりも熱が集中しにくい状態になっています。本当はもっと加熱できるハンダゴテがあるといいのですが・・・ない物ネダリしても仕方ないので、慎重に進めます。

一方、日米商事で買ってきたニッカド電池は放電しきっているようで、電圧を測ってみると僅か0.1Vしかありませんでした。このまま取り付けても役に立ちません。
ニッカド電池のチェック本体改造の合間に安定化電源を電流制限して充電を試みます。果たしてこんな処置でよいのかどうかは疑問ですが・・・ニッカド電池の充電一時間ほど充電をすると、取りあえず電圧は上昇しました。もう少し様子を見た上で最終的に設置するかどうかを判断します。

結局、本日はコンデンサの撤去だけで終わってしまいました。
次回、新しいコンデンサを取り付けます。

(K)

今週の活動報告(2015/11/28)—その1 MS-DOSのインストール

今週の活動報告を致します。

今週はPC-9801UVへのMS-DOSインストールとPC-98DOの本体修理を行いました。

2つに投稿を分けて報告します。

○PC-9801UVへのMS-DOSインストール
最初はPC-9801UVへのMS-DOSインストールについての報告です。
先週、変換番長でSCSI IDを仮想的に4つまで認識させることができたのですが、元々使っていたCFカード(4GB)ではあまりにも領域が広大で、使い道がないことに後から気付きました(笑)
今日、改めて512MBのCFカードを使ってMS-DOSのインストールを行います。用意したのは15年以上前に購入したNEC版MS-DOS Version3.30Dです。
純正・原本のMS-DOSフロッピィディスクから変換番長SCSIの領域確保とフォーマットを行います。
MS-DOSのインストール当時、PC-98のMS-DOSはformat.exeだけで領域確保とフォーマットの両方をグラフィカルに行う事ができました。PC/ATは、fdisk.exeで領域を確保した上でformat.exeでフォーマットとシステム転送をしており、二つのソフトが必要でした。表示も殆どコンソールベースだったので、PC-98に一日の長があると当時は感じていました。
ま、今のパソコンのお手軽さから比べれば味噌○ソ一緒レベルでしょうけど。
しかし、リアルタイムでMS-DOSのインストールをやっている酔狂な人なんてどんだけいるんでしょうかね・・・。

一通りインストールと設定が終わった後、これまた懐かしいIODATA機器のinspectを立ち上げてみました。
IODATAメモリサーバこちらはメモリサーバというメモリ製品に付属していたユーティリティで環境表示の他に簡易的なベンチマークを行う機能があります。上記はCPU情報を表示したものです。きちっと? V30/V33/V50と判定されています。CPUの演算能力を測定するdhrystoneテストのスコアは800。MS-DOS環境では何不自由ないレベルi486SX-33MHzが6000ぐらいだったので、やっぱりかなり控えめ(笑)な値ですね。今のCore i7はどのくらいのスペックになるんでしょうか。。。

(K)

今週の活動報告(2015/11/21)—その2 PC-98DO電源部修理

ちょっと時間が空いてしまいましたがその2です。

○PC-98DO修理

今週、もう一つトライしたのはPC-98DOの修理です。
11/03に電源部の故障で起動しないことが分かり、部品交換の為に電解コンやニッカド二次電池を入手する必要がありました。そこで、今日は活動前の午前中に秋葉原に行ってきまして、必要な部品を一式買ってきました。
買ってきた部品こちらが買ってきた部品です。10個口, 2個口で売っていた部品もあるため、全体としてちょっと多くなってます。殆どマルツで買ったので律儀にビニールに覆われています。
事前に調べて行ったのですが、いくつかマルツになくて他の店を彷徨い歩くことになりました。
無かった部品は左端に見える560uF 200Vの超デカい自立型電解コンとバッテリバックアップ用のニッカド電池です。
昔からの部品屋である鈴商、日米商事を見ていたら偶々売っていたので買えました。運が良かったです。
特に鈴商は店舗販売が今月一杯とのことで、事実上最後の店舗訪問になりました。

さて、これから電源部のコンデンサ交換を行います。
コンデンサ実装前の電源ボードこちらがコンデンサ取付け前の電源基板の様子です。左側が電源入力側(1次側側)で右側が出力側になっています。真ん中で絶縁されている典型的な絶縁電源です。主コントロールICは三菱電機のM51995。現在でもルネサスでデータシートを拝む事が出来る超古代(?)の電源用ICです。今はさすがに保守廃止になっていますが、マニュアルは2008年まで更新されているので、そこまでは売っていたということになります・・・すごい石ですね。

コンデンサ実装後の電源ボードコンデンサ実装後。コンデンサは10個しかないのですが、上述の560uF 200Vコンデンサが物凄く大きいため、部品がギュギュっと詰まった感じになりました。・・・値札を付けたままなのでいくらだったかもろばれですね。この状態では電源を入れられない(入れられるがコワイ)ので、元の箱に入れて緊張の電源投入!を行います。
電源筐体に格納
電源の調整通電したところ、無事にファンが回りだし、出力が出てきたのでほっと一息です。テスタで電圧を測定すると+5Vが5.8V程度、+12Vが11.80V程度、-12Vが-11.7V程度でした。5Vが過電圧気味です。本体横に電圧調整用のボリュームがあるので回して調整します。ところがこのボリューム、27年も摺動されていなかった事から接触がちょっと悪くなっており、電圧が安定してくれません。
なんどかボリュームを回すと漸く安定してきたので、+5Vがピッタリぐらいになるように調整して完了としました。

本当へ装着本当は本体側のバッテリバックアップ用ニッカド電池やコンデンサも交換したいところですが、今日は時間がないのでまずは本体側は交換せず電源を入れてみます。

起動!
恐る恐る電源を入れると・・・「ピコッ」っと元気よく電源が入りました。メインボードは無事のようです!10年ぶり、27年前の機体が動く様子に感動です。持ってきていた5インチフロッピィディスクのアプリをいくつか動かして遊んでしまいました。
PC-98DOの5インチディスクドライブは世代としては中期ぐらいのイメージですが、3.5インチのものと比べるとヘッドのアンロード機構も備えており、アクセスする度に周囲へ重厚なサウンドが響きます。昔のコンピュータが動くという感覚をリアルに感じる事ができますね。

5インチフロッピィはシャッター等にも守られておらず、非常に弱いイメージでしたが、持ってきたディスク10枚程度は全てちゃんと動作。3.5インチとの違いも分かりました。3.5インチは10枚もあると1~2枚は死んでいるケース(過去PC-286nf, UVで動かした結果)があったのですが、記録密度が低い事が上記保存にプラスに働いている感じがしますね。

次回は本体のコンデンサを交換します。

(K)

今週の活動報告(2015/11/21)—その1 PC-9801UV変換番長の導入

会長です。
遅くなりましたが今週の活動報告を致します。
今週も盛りだくさんだったのでいくつかに投稿を分けます。

○変換番長の導入
先日SCSIインタフェースを取り付けたUVのネタです。
クラッシックPC救済委員会が作っている変換番長を取り付けることにしました。
変換番長はCFカードをSCSIインタフェースやSASIインタフェースに変換する事が出来るボードです。
ちょっと値段がお高いのですが、今日日リアルのSCSI/SASIドライブは入手が難しく、また、耐久性の問題もあるのでレトロPCを長く使うには必須のアイテムと言えるでしょう。秋葉原へ買い出しに行ったついでに購入しました。
変換番長のセット

 こちらが変換番長のセットです。ウィットに富んだ取扱い説明書, 赤い本体のボード。そしてオプションである外付け用のアクリルパネルと変換コネクタで構成されています。
ボード部はレギュレータとレベルシフタの他はAlteraのFPGA(Cyclone)が搭載されているシンプルな構成です。Cycloneで変換機能を担っているものと思われます。

UVでの認識#UVのフロントマスクと第二ドライブは修理の為に取り外し中

 変換番長はDIPスイッチにより様々な設定ができますが、PC-98用の最大設定では4台のSCSI IDを設定する事ができます。実際に動かした様子がこちら。
CバスSCSI IFN-SCのイニシャル画面で0-3番のIDが認識出来ている事がわかります。本日はMS-DOSのインストールディスクを持ってきていないのでここまでです。MS-DOSの新規インストールなんて二十年ぐらいやってませんが、なんかワクワクする感じですね。

以下おまけです。秋葉原に行ったついでにGR-SAKURAのケースも買ってきました。
GR-SAKURAの透明ケースLAN, USB, ACJack, シールド用拡張コネクタ部がちゃんと穴が空けられています。
変換番長とGR-SAKURA(ケース入り)アクリルケースを付けた変換番長と並べてみるとなんとなく様になる感じです。眺めていたら、GR-SAKURAを使ってレトロPC向けのなにか工作をしてみたくなりますね。

(K)

今週の活動報告(2015/11/14)—その2 CASIO PB-410

さて、二つ目の話題はポケコン分解調査です。

○CASIO PB-410分解調査
ひょんなことから入手したCASIOのPB-410です。調べると1984年に登場した今から約31年前の機体でした。これは最初期と言ってもいいかもしれません。

本機は何か特殊な用途向けにカスタムされていた?ものらしく電源を投入してもよく分からない文字列が表示され、まともに操作が出来ません。RAMはバックアップ付きのメモリカードで搭載するタイプなのですが、取っても入れても変わりません。
故障しているのかもしれませんが、とりあえずばらしてみます。
CASIO PB-410
本体の外観です。PocketComputerではなく、PersonalComputerと書いてある所が泣けます。
それもそのはず。1984年と言えばパソコンの主力はまだ8bit機で16bit機のPC-98シリーズは出たばかりだったはず。本機はCPUのbit数が不明ですが、この時代にプログラミングが出来る機体は全てPersonalComputerと言いたかった(言ってもよい時代だった)ものと思います。
CASIO PB-410 中身
ばらしている様子を細かに撮影していたのですが、ちょっと長くなるので割愛。一言で言うと物凄い構造です。非常にEMIを気にした設計のようで、天板と底板は金属製なのですが、その間を導通させてシールドとするべくリード線にバネを着けて電気的に接触するようなつくりになっています。その為、ばらそうとするとあっちこっちでバネが「びよ~ん」。メモリカードもバネでスロットが取り出せるようになっているのですが、それも「びよ~ん」
組み立て性は最悪だったのではないかと思います。今では絶対にこんな構造では作らないでしょう。
基板は非常にシンプルで本機のCPUであるHD61747がどど~んと鎮座している意外は数点のコンデンサなどが搭載されているのみです。念の為、キーボード面も確認したのですが、そちらもICは殆どありませんでしした。
CASIO PB-410 メモリカード4KB
こちらがメモリカードです。非常に凝ったつくりになってまして。端子はシャッターで保護できるようになっており、ボタン型電池でバッテリバックアップもできるようになっています。本体もボタン型電池で駆動できるのですが、RAM保持の為にバッテリを別に必要とするというのはカードの差し替えを前提としているという事なのでしょう。でも、どういうシチュエーションでカードを入れ替えるのかはよく分かりません。
PB-410メモリカード中身
このカード、本当にすごいと思ったのは中身を分解してから分かりました。日立製のHD61914というSRAM(おそらく1KB)が4つ搭載されているのですが、パッケージがなんかとてつもなく変です。本来QFPで4辺に足が出ているはずが、1辺だけ全部足が無く、3辺で保持されています。こんなのありですか?
PB-410メモリカードの特殊メモリ
こちらが拡大した写真。元々QFPのパッケージを流用していることがよく分かります。1辺のリードフレームがパッケージ本体端面からバッサリ切り落とされています。正直、実装面積が1辺分のリードフレームの足分小さく出来る事以外のメリットが思い浮かびません。なんでこんな変態なパッケージを作ったのでしょう?当時は一般的だった???

ちょっと謎が残る分解調査でしたが、長くなるのでこの辺で終わりたいと思います。

本機は元のように組みなおしたのですが、やはりまともに起動しません。大変残念ですが、オブジェにするか、中身をKURUMIかIchigoJamに入れ替えて遊ぶかマサ氏が思案中です。そのうち何かに料理されて再登場すると思います。

(K)

今週の活動報告(2015/11/14)—スマート靴箱の実験

会長です。
今週の活動報告をします。

今週は嗚呼参氏のスマート靴箱とポケコン分解調査を行いました。

ポケコンネタの方はちょっと長いので別投稿にします。

○スマート靴箱

今年のコミセン祭で初お目見えしたスマート靴箱(靴乾燥機)。嗚呼参の方で実験を行っています。
濡れた靴を模した水を含ませたウェスを筐体の中に入れ、どんな様子でファンが回転するかを確認しています。

スマート靴箱全景

このシステムはArduinoとモーターシールド、湿度センサ、そして表示用LCDで構成されています。

特にヒーターは入っていないのですが、ファンの威力が絶大のようで、回転して空気の流れが発生するとみるみる湿度が下がっていきます。

一定以下の湿度でファンが停止するようになっていますが、少し経つと湿度がまた元に戻る・・・当たり前と言えば当たり前なのですが、結構湿度って変化するものなんだなと感じます。

スマート靴箱全景

今の作りこみは仮なのでかなりアグレッシブなテーピングが施されています。

スマート靴箱のファン部

(K)

今週の活動報告(2015/11/07)—コンデンサの撤去

会長です。
今週の活動報告をします。

今週からPC-98DOの電源部とUVのドライブ修理を行います。
まずはDOの方です。
先週、メインボードのニッカド電池が腐って漏れているのと、電源部の電解コンデンサが同じく漏れていることを報告しました。今日は容量をチェックしてハンダで撤去していきます。
ニッカド電池を撤去した後  こちらはメインボードのニッカド電池が付いていたところ。ニッカドは早速ハンダで外しました。当時は思いっきり鉛半田だったので、熱容量が比較的大きくてもすぐに外れます。いい時代です。(環境汚染的には良くないのでしょうが)
歯ブラシでガンガンこすります跡を見るとちょっと緑青が出ていますがこれであればエタノールと歯ブラシでおちそうです。マサ氏の指導を受けながらゴシゴシして落としていきます。
ハンダでコンデンサの足をあっためて撤去します  続いて電源基板です。搭載されている電解コンデンサは全部で10個。回路がシンプルなので数が意外に少ないです。当時は力率改善回路(PFC)等も搭載されていないため、単純なDC/DCコンバータになっています。また、5V, 12V, -12V出力を作るのにパワーモジュールと思わしきものを使っていることもシンプルな回路実現に一役買っているように思えます。
フラックスリムーバで洗浄しています
最後はフラックスリムーバなどを掛けてやはりブラシとウエスでゴシゴシします。写真では分かりにくいですが非常にきれいに落ちました。
撤去したコンデンサとニッカド電池
こちらが今回撤去した電源部の電解コンデンサとニッカド電池です。電源部のコンデンサは半分ぐらい足元から盛大に漏れていました。漏れていないコンデンサも27年経過しているので一緒に変更してしまいます。

コンデンサの手配を行い、手に入り次第交換を行う予定です。

(K)

今週の活動報告(2015/11/03)—その2 PC-98DOを見る

さて、続いてPC-98DOの方を見ていきましょう。
本機は会長のパソコンの師匠と呼べる友人から譲り受けた機種です。ジャンクで手に入れたPC-HD040Lと一緒に使ってました。しかし、引越しに伴い、置く場所がなくて電源を入れなくなっていました。最後に電源を入れてから9年以上が経過。予想通りと言えば予想通りなのですが、電源ボタンを押しても電源LEDすら点灯せず、まったく起動してくれない状態になっていることが今回の祭で分かりました。ちょっと悲しい。。。早速故障状況を確認するためにばらします。
PC-98DO+PC-HD040L PC-98DOはPC-98の歴史の中ではかなりの異端児です。この機種の最大の特徴はPC-88シリーズとのハイブリットになっていることです。登場したのは1988年。当時、PCのメインストリームは既にPC-98(16bitアーキテクチャ)で、8bitアーキテクチャであるPC-88シリーズはシリーズとして終焉に向かってました。PC-88のメイン用途はゲームでしたが、そういった層をうまく取り込み、PC-98シリーズにスムーズに移行させるものとして本機が登場したものと思われます。1粒で2度おいしい・・・となるはずでしたが・・・うまくいかなかった様子。現に本シリーズは次のPC-98DO+のみで終わっています。
不遇に終わってしまった理由をいろんなサイトさんが書かれていますが、筆者が考える最大の問題は性能と拡張性でした。
本機が登場した当時、PC-98シリーズのフラグシップ機は既にi386 20MHzを搭載していました。それに対して本機はV30 10MHz・・・。MS-DOSの通常のオペレーションであればそれほどの差は出ません(注:主観です)が、ゲームでもグラフィクスを駆使したものは苦しく、表計算やワープロもちょっともっさりという感じでした。
PC-98DO中身 次の問題である拡張性は中の構造に関係しています。本機はPC-98の他機種と異なり、ドライブが横に並ぶ構造になっています。そのため、貴重なCバススロットが1個しかありません。当時、追加したい機能の筆頭はHDD I/F(SCSI), 1MBフロッピィディスクインタフェースボード, NetWare(LAN)でしたがどれか一つしか使うことができず、長く使うことが必然的に難しい状態でした。筆者はSCSI2を増設し、他のPCとはRS-232C(Maxlink)で接続していましたが、本機がi386-20MHzでCバスが2本あったら・・・もうちょっと使っていたかな~と思ってます。最も、コストが掛かるPC-88の機能を搭載した上で、当時としては廉価な価格設定を実現するため、値段が安いV30と周辺チップしか選択できなかったのではとも思いますが・・・。PC-98DOメインボード メインボードを見てみます。本機はPC-98の機能をV30CPUと周辺チップセットで実現しており、PC-98機能を司るカスタムチップ(uPD9012, 9013, 9014)はUVと同様なものが搭載されています。一方、PC-88のCPUはZ80であるため、NECの互換チップuPD70008も搭載。見慣れないPALチップやカスタムチップがあるので、これでPC-98とPC-88を同居させているように見えます。かなり苦心した作りに思えます。当時のカスタムチップ(恐らくゲートアレイでしょうけど)は高かったろうな~。
PC-98DOバッテリバックアップ部の腐り 起動しない原因とは思えませんが、メインボード右下にあるRTC(時計)とRAMパラメータを保持するニッカド電池が腐って液漏れしていました。まだ軽度な液漏れですが、貴重な基板が壊れるので早々に撤去が必要です。
PC-98DO電源部最終的に見つかった戦犯(故障原因)は電源ユニットでした。破裂したコンデンサがいくつもあり、漏れた電解液で基板がべっとり濡れています。これでは電圧上がらないわけです。というより、よく基板が原型を保っていたと思います。登場してから27年。その大半の年月で電解液が漏れた状態にあり、常に冒されていたものと思います。部材調達をしないと交換も出来ないので今日はこのまま閉じます。

工作というより修理ネタになりつつありますが、しばらくお付き合い頂ければと思います。

(K)

今週の活動報告(2015/11/03)—その1 PC-9801UV11を見る

さて、今回マサ氏が購入したPC-9801UV11を見ていきましょう。
購入した機体はジャンク扱いとなっていたもので、FDD2(Bドライブ)が不調とのことでした。それ以外は特に問題がなく、電源を入れると元気に「ピコ」音が出ました。PC-286NF復活の時に使ったソフトをいくつか起動させてみますがどれもちゃんと動きます。PC-9801UV11  UVはコンパクトデスクトップと呼べる機種で当時のPC-98系デスクトップでは最も小さいサイズでした。UVは何世代かあり、初代は通常の横置きのみできたのですが、後期である本機は縦に置くことも考えられており、機種名やロゴが斜め書きになっているのに加え、側面にもゴム足がくっついていました。PC-9801UV11側面のゴム足※写真のゴム足はマサ氏が購入後に付け替えたもの

後にこのサイズはi386SXの世代まで継続され、PC-9801USで一度途切れます。当時、パソコンは拡張してナンボなところもあったので、コンパクトすぎて拡張性がやや低くなってしまう、本機のようなタイプはあまり人気がなかったのかもしれません。
その後、Windows 2000あたりからスリムタワーと呼ばれる本機のような機体が再び出るようになり、UVは先見過ぎたのかと思ったものでした。PC-9801UV11内部の様子 早速中身を見てみます。本機は一度マサ氏によって解体整備されているため、中は非常にきれいな状態です。小さい機体にFDD2機と電源、そしてでっかいCバススロットを備えている為、非常に詰まった中身になっています。FDD2が認識されないということなので、一旦全部ばらしてみます。
PC-9801UV11メインボード こちらがメインボードの様子。中央にV30(uPD70116)が鎮座しています。SDIP40pinという今ではほとんどお目にかからない堂々としたパッケージです。その上に同じサイズのソケットがあいてますが、こちらは数値コプロセッサ(i8087)を取り付けるためのソケットです。狭いのにコプロセッサソケットを用意しているというのは、本機がビジネス機としても使えるようにしているためでしょうか。残念ながら、FDD2は重症で簡単には直りそうになかったため、一度閉じてまたの機会に修理を試みます。CバスにIFN-SCをさしているところ 最後に会長手持ちのCバスSCSIをマサに進呈しました。こちらはPC-98DOで使っていたBuffalo(Melco)のSCSI-2 I/F IFN-SCです。90年代前半のインタフェースなのでPnPこそ対応してませんが、ほとんどの設定がグラフィカルに行えるという優れものです。でも、転送速度は所詮16bitバスなので・・・。(CPUも16bitなので当時はボトルネックではありませんでしたが・・・)
Cバススロットは本体をまったく開けずに増設できるのが最大の利点でしたね。

(K)