RL78のArduino開発環境の変化(2023/05/29)

こんにちは。

最近工作が出来ていないのですが、気になることが出てきているのでちょっと書いてみます。

ご存じのように、当サークルでマイコンを使う場合、78K系かRL78またはArduinoを使うことが多いです。

そして、RL78にはArduino互換の開発環境が以前よりありまして・・・。
例えば、GR-KURUMI, GR-Cotton, GR-ADUKIといったもので、マイコンにRL78/G13を使ったボードでした。

これらは、どちらかと言うと本流のボードとは別にGadget Renesas Projectから派生したもので、基本は専用のIDE(IDE for GR)か通常のRL78の開発環境(CS+, e2studio)で使います。
(※当技報Vol.4, Vol.8などで特集してたりします)

第二世代RL78/G2xシリーズが2021年出て、公式の評価ボードがArduino互換タイプになってから、本家Arduino IDEでも使えるように、ボードマネージャのJsonファイルが提供されてきました。

ところが、最近、Arduino IDEがVer.2.0になった頃から、Jsonファイルを手動で入れなくてもIDEにRL78のボードが出るようになりました。

こちらのBlogを見ると、どうやら標準で出るように変わったようです。

さらに検索してみると、海外の記事ですが、「RL78/G22とG23もサポートされた」と読めるものがありました。

GR-KURUMIのリリースから長い時間が経ちましたがどうやら本当に本家の仲間入り?を果たしたようです。

Arduino UNOはATMEL(現Microchip)のATmega328Pなのでアーキテクチャが違うため、ネイティブなコードは移植必要ですが、純粋なC++のコードであれば本家と同様に使えるようになって来るのかなと感じたこの頃でした。

長々と文字だけ書いてしまいましたが、今日はこの辺で。

(K)

今週のプチ活動報告(2023/04/10) — HiSE/LSEモータ車デコーダの動作解析

かいちょうです。

久しぶりにDCCデコーダの記事をお伝えしたいと思います。
今回はモータデコーダです。一昨年に作ったモータデコーダの特性改善のため、各部の動作状態を確認します。

今回作った基板は小田急HiSE/LSE用向けなので非常に小さく、測定用のPADが設置出来なかったので配線を生やすことにします。

この格好だと車両には入れられなくなるので、ハンドバイスでモータ車の下回りを押さえて測定します。

プローブを接続して電源を入れて回してみます。

本当は線路上に乗せて走行させたいところですが、ローラもないのでまずはこれで我慢です。

今日は短いですがこの辺で。

(K)

今週のプチ活動報告(2023/1/21) — 運転台コレクションのNゲージ化 失敗談

こんにちは、かいちょうです。

年始でまだ工作そのものに取りかかれないので少し昔の失敗談をご披露したいと思います。
年末に頒布開始した別冊 Vol.2で特集した鉄道模型用コントローラですが、実は基板を2回起こしています。その1回目の模様をちょっと番外編としてお伝えします。

1回目の基板起こしも慎重を期して印刷した紙を実機にあてがってサイズ確認を行ってました。プリンタで印刷した紙をティッシュペーパーの箱に張ってカッターで切り取ります。

こちらが交換予定の元基板。台座から一度外します。

このような形で入れ替えて干渉などがないかを見ていきます

最初の基板ではACアダプタ用のDCジャックを実は基板に直接付ける形にしていました。この紙を使った現物合わせでは入りそう・・・だったのですが、2回目にはこの設計を止めました。
理由は、穴開けやDCジャックを入れるために筐体を大きく削らないといけない為・・・。

現物合わせをしてもやっぱり一度本物で組まないと細部は分からないもんだな~というお話でした。

今日はこの辺で

(K)

既刊:別冊Vol.2 鉄道模型コントローラ開発特集

ヨシノローテック技報 別冊 Vol.2 鉄道模型コントローラ開発特集

別冊スペシャル版第二弾
7年ぶりの別冊は完全新作として鉄道模型コントローラの開発を特集。
リアルな造形のガチャガチャおもちゃを思いきり弄って鉄道模型のコントローラにする過程をお届けします。
仕様不明な音声ICと極小の筐体に苦心するも新規採用のRL78/G11マイコンでDCCも見据えたシステムを構築しました。

主なコンテンツ
STEP1 開発コンセプト
STEP2 実現性検討
STEP3 回路設計とレイアウト
STEP4 プログラム開発
STEP5 基板設計と筐体加工
STEP6 動作確認と発展

発行:
2022年12月31日第一版発行
2023年1月15日第二版発行
ページ数:A5相当 52ページ
初頒布:コミックマーケットC101

Amazon Kindleで電子書籍版ダウンロード頒布中!
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コミックマーケット101に出展します

こんにちは。

お久しぶりです。会長です。

11/11に公開されましたが、当サークルヨシノローテックはこの度、コミックマーケット101に当選することができました。
コロナ禍前ですと夏が相場だったのですが、ここ2回は冬の参加となります。

31日 土曜日 西地区 “す” ブロック18b

になります。

で、申し込みをしておいて申し訳ないのですが、当初カタログにて告知しておりました、以下の内容
・TOMIX小田急ロマンスカー電気連結器後編(モータ車)
・レトロPC PC-286NFビネガー症候群修繕
については、諸般の事情(物品手配の難航、活動優先順位変更、新アイテムフォーカス)により今回の技報では取り上げが難しくなってしまいました。

まだ決定ではございませんが、今回の技報につきましては、技報別冊スペシャルとさせていただき鉄道模型コントローラ開発についての記事を執筆させていただきたいと考えております。
カタログ記載の内容についてご期待頂いていた方には大変申し訳ございませんが、新しい内容について期待頂けるようでしたら、コミケ会場にてお会いできればと思います。

本Webページでも逐次(といっても直前だと思います。すみません)情報をアップデートしたいと思います。

取り急ぎ、コミケ参加と記事内容についてのご連絡でした。

今日はこの辺で(K)

今週のプチ活動報告(2022/10/30) — 運転台コレクションのNゲージ化 その2

こんにちは。かいちょうです。

前回からちょっと時間が空いてしまいましたが、引き続き運転台コレクションのNゲージコントローラの検討を進めます。

ホール素子がダメだったので原点に戻り小さなボリュームを探してみました。しかし、入るようなものが見つからず、どうしようかなと思っていたところに手持ち部品で最有力になりそうなものが見つかりました。

それは、反射型フォトリフレクタ(ROHM製のRPR-220)です。光を出すLEDと反射を見るフォトダイオードが組み合わされたものですが、ライントレースカー工作の残りがあったので試しにコントローラ下部にあてがったところ、ハンドル角にだいたい合うような特性を得ることができました。

 

サイズ的にも十分入りそうです。

こちらはテープで仮止め実験をしたものですが、ハンドルを一番上から下に下げると大凡4.8V<–>1.8Vの範囲で信号が得られました。これだけあれば十分でしょう。

大きな問題だったハンドル角検出がクリアになったので、基板を設計することにしました。

今日はこの辺で

(K)

今週のプチ活動報告(2022/08/31) — 運転台コレクションのNゲージ化

こんにちは。会長です。

今日は先日の鉄道ガチャガチャネタをさらに進めたお話をしたいと思います。

運転台コレクションがNゲージのコントローラになったらいいな・・・と前回書いたのですが、その思いに火がついてしまいました。(笑)
なんとか実現しようと考え始めてしまいました。

実現する上で追加が必要なコンポーネントとしては、主にモータドライバ、全体制御をするマイコン、としてハンドル角を検出するためのセンサがあります。前2つはこれまでのDCC開発で培ってきた資産があるのであまり難しくありません。問題は最後のセンサです。

鉄道模型を自在に制御するのであれば、ハンドル角に応じた速度制御を行いたいのですが、鉄道運転台コレクションは一杯に倒したときに音が鳴ればいいや・・・という仕様なので角度検出ができるような機構がありません。

これをどうアイデアで実現するか、実験も行ってみたので報告したいと思います。

選んだのは秋月で売っているソニー製ホール素子DM-106Bです。一つ50円なり。


このセンサはTO-92のような形をした小型品で、内容積が小さい今回の運転台にぴったりです。さらに、センサの出力がアナログタイプなので、無段階の出力が得られるという期待もあります。
(ホール素子で多いのはどちらかというとヒステリシス付のデジタル出力で今回の用途には合わないと思いました)

センサと本体を並べてみます。中の基板は乗っ取りで変更する予定なのでセンサを取り付ける部分がないのは問題になりません。

実際にリミットスイッチの近傍においてみました。小型なので入りそうに見えます。リミットスイッチの頭とほぼ同じサイズです。

ハンドル側との位置合わせもしてみます。ハンドルの下部に小さな磁石を付けて、その反応をセンサで取ろうというという発想です。

早速、手持ちの磁石で出力がどの程度変化するかを確認してみます。この磁石は台所の換気扇フィルタ固定用で、鉄板から指ではずそうとすると難儀するほど強力です。
センサの出力は上側と下側に磁気によって変化する抵抗があり、磁気がない場合は入力された電圧のちょうど半分が出る仕様になっています。そこで、5Vの電源を掛けて、磁石が当たったときにどのくらいその電圧が変化するかをテスタで確認することにしました。

こちらは、磁石を当てていない時の電圧です。スペックでは入力電圧の半分ですが、ほぼほぼぴったり2.499Vが出ています。これに磁石を当てると

確かに0.009V下がりました。しかし、これではあまりにも変化量が少ないです。
実際、ハンドルの下部に付けたとすると物理的には数mmの変化になるわけですが、数mmの変化だともっともっと電圧の変化量が小さいわけで・・・OPampで増幅しないとダイナミックレンジが確保できそうにありません。
それに、何度も動かしていると、同じように磁石の位置を変化させても不安定な出力(同じ値にならない)です。これはダメかも。

そもそもこのホール素子のアプリケーションは回転検出のようなものだったので、絶対的な磁力をDC的に計測するのには向いておらず、AC的に変化するようなものでないとダメなのかもしれません。(そう考えるとデジタル出力が多いというのも納得です)

というわけで、最初のホール素子は失敗になってしまったのですが、めげずに次なるアイデアを考えていきたいと思います。

今日はこの辺で

(K)

今週のプチ活動報告(2022/07/29) — 鉄道ガチャガチャ

こんにちは。

会長です。今日はマサ氏が買ってきた鉄道運転台コレクションを解体眺めたのでその様子をお伝えしたいと思います。

こちら、ガチャガチャコーナーで売っていた鉄道運転台コレクションです。
最近、鉄道関連のパーツ(信号機、座席、行先版など)をガチャガチャにしたものが出ているのですが、今回は運転台を取り上げたシリーズの様です。

昔のガチャガチャと違い、値段は400円と結構するのですが、大人向けであるため、クオリティも結構キテマス。

今回、マサ氏が言ってもいないのに3台も買ってきていたので、中身を見させてもらいました。

このガチャガチャ、マスコンを前に倒すと電車の発車音か停車音が出るようになっています。裏面には、音が出るためのスピーカ穴と電池ボックスがあります。

電池はおそらくLR44でしょうか。3個入っており定格4.5Vで駆動させているようです。

マスコンは単純なレバーになっており、この突起の先が

基板上のタクトスイッチを押すことで音が鳴りだします。搭載されているのは8pin SSOPの石で、LED, スイッチ, スピーカが接続されています。マイコンベースの音声再生ICのように見えますね。

妄想でこれが鉄道模型コントローラにできたら・・・と思うのですが、サイズが非常に小さいので工夫が必要そうですね。

以上、ただの中身報告でした。

今日はこの辺で

(K)

今週のプチ活動報告(2022/02/12) — HiSE/LSE先頭車デコーダのチューニング続き

こんにちは。かいちょうです。

先週に続いてチューニングを行います。
今手元にオシロスコープがない状態なので、何が起きているかを予想を立てて少しトライアンドエラー的に対策と効果を確認してみます。

まず最初に試したのは線路電圧を両線からの差分で測定する方法。作成した基板は、搭載されているマイコンRL78/G11のI/O端子から、片側線路のみ読み取る設計だったので、ちょっと強引ですがリード付き抵抗を使って両線をマイコンの空き端子にブリッジします。
プログラムも修正して両線の状態をマイコンから監視するようにします。しかし、多少安定したかなっと思う程度で実用域には程遠い感じでした。

続いて実施したのは、デコーダのMCU電源を安定化させるために容量追加です。取り急ぎ適当な100uFを付けてみました。
これは効果があったので、線路離線に伴うマイコン電源のふらつきが多少影響を与えている事がわかりました。が、これをそのまま採用するにはコンデンササイズが、車両搭載にはデカすぎますし、完全に誤判定がなくなったわけではなく不完全です。
やはりハード的な対策というよりソフト的な対策の方がよさそうです。
そこで、アナログモード時の判定アルゴリズムを変更。詳細は割愛しますが、これまでの単位時間での判定から、フィルタ処理を入れた上で判定する方法に変更をしてみました。
この変更で、ノイズがすごい、旧式のTOMIX 5001コントローラでもある程度まともな運転ができるようになりました。

改めて、DCCモードも含めて確認実験をしてみました。

こちらも新しいプログラムで問題なく動いているようです。(牽引というか、押しているのはHiSEの電動車)

この後、100uFを撤去しましたがそれでも大丈夫そうでした。

このようにプログラムをチューニングすることである程度なんとかなるケースだと助かります。
が、毎回プログラムを書き換える度にデコーダを車体から外すのは面倒なので、そろそろ線路からのファームウェアアップデートを考えなければと思っているところです。(技術的にはできるのですが、コマンドステーション側の環境構築とデコーダのソフト変更が面倒で二の足を踏んでました)

あとでオシロスコープが使えるようになったら、線路波形も測定してお見せしたいと思います。

今日はこの辺で。

(K)

今週のプチ活動報告(2022/02/06) — HiSE/LSE先頭車デコーダのチューニング

こんにちは。かいちょうです。

今日は昨年作成したHiSE/LSE用デコーダのチューニングを行いたいと思います。
ファンクションデコーダの場合、毎回作るたびにチューニングをしています。
具体的にはDCCで動いている時ではなく、従来型のアナログコントローラ動作時に対して行います。

アナログ動作時、デコーダがどちらに対して動いているのかを判定する必要があるのですが、様々な要因で誤判定することがあります。(DCCの時はデジタル信号をデコードしているのでこのような問題はおこりません)
他の製作者さんでも、アナログ運転は保証しないとしているケースもあるので、実は以外と難しい調整部分だったりします。

今回作ったデコーダもその症状が出たので、まずは解析とハード/ソフトでの対応を試みます。

まず、実験をしやすいように、空き端子にF0F, F0R確認用のLEDを搭載します。

このような形にすると、HiSE/LSEには搭載出来なくなる上、プログラムも頻繁に書き換えるので、別な人身御供実験しやすい旧車を引っ張ってくる必要があります。

今回抜擢されたのがこちら、30年選手のKATO クハ103(スカイブルー)です。このKATO 103系は技報Vol.3でも表紙を飾るほどDCC実験に参画しており、西武5000系レッドアローと並んで登場率が高い働き者です。常時、配線を接続できるようにすでに車内に端子を植えてあり、すぐに実験することができます。

実際に搭載した姿がこちら、まるでヤドカリみたいな感じですが、前述の通り書き換えができるようにするにはこの形が最適です。

ハードウェア的にはマイコンのI/O端子で線路電圧の状態を監視しているのですが、この端子が暴れている可能性を疑い、小容量のキャパシタ(9p)をのせてみます。


実験の様子がこちらです。直流安定化電源で安定した電源を線路に給電しているにも関わらず、ちょっと動かすと接触ノイズで進行方向を誤判定、ヘッドライト/テールライトが激しく入れ替わって点滅します。小容量キャパシタではダメなようなので、これから他の技も含めてチューニングを続けます。

今日はこの辺で

(K)