今週の活動報告(2015/11/28)—その1 MS-DOSのインストール

今週の活動報告を致します。

今週はPC-9801UVへのMS-DOSインストールとPC-98DOの本体修理を行いました。

2つに投稿を分けて報告します。

○PC-9801UVへのMS-DOSインストール
最初はPC-9801UVへのMS-DOSインストールについての報告です。
先週、変換番長でSCSI IDを仮想的に4つまで認識させることができたのですが、元々使っていたCFカード(4GB)ではあまりにも領域が広大で、使い道がないことに後から気付きました(笑)
今日、改めて512MBのCFカードを使ってMS-DOSのインストールを行います。用意したのは15年以上前に購入したNEC版MS-DOS Version3.30Dです。
純正・原本のMS-DOSフロッピィディスクから変換番長SCSIの領域確保とフォーマットを行います。
MS-DOSのインストール当時、PC-98のMS-DOSはformat.exeだけで領域確保とフォーマットの両方をグラフィカルに行う事ができました。PC/ATは、fdisk.exeで領域を確保した上でformat.exeでフォーマットとシステム転送をしており、二つのソフトが必要でした。表示も殆どコンソールベースだったので、PC-98に一日の長があると当時は感じていました。
ま、今のパソコンのお手軽さから比べれば味噌○ソ一緒レベルでしょうけど。
しかし、リアルタイムでMS-DOSのインストールをやっている酔狂な人なんてどんだけいるんでしょうかね・・・。

一通りインストールと設定が終わった後、これまた懐かしいIODATA機器のinspectを立ち上げてみました。
IODATAメモリサーバこちらはメモリサーバというメモリ製品に付属していたユーティリティで環境表示の他に簡易的なベンチマークを行う機能があります。上記はCPU情報を表示したものです。きちっと? V30/V33/V50と判定されています。CPUの演算能力を測定するdhrystoneテストのスコアは800。MS-DOS環境では何不自由ないレベルi486SX-33MHzが6000ぐらいだったので、やっぱりかなり控えめ(笑)な値ですね。今のCore i7はどのくらいのスペックになるんでしょうか。。。

(K)

今週の活動報告(2015/11/21)—その2 PC-98DO電源部修理

ちょっと時間が空いてしまいましたがその2です。

○PC-98DO修理

今週、もう一つトライしたのはPC-98DOの修理です。
11/03に電源部の故障で起動しないことが分かり、部品交換の為に電解コンやニッカド二次電池を入手する必要がありました。そこで、今日は活動前の午前中に秋葉原に行ってきまして、必要な部品を一式買ってきました。
買ってきた部品こちらが買ってきた部品です。10個口, 2個口で売っていた部品もあるため、全体としてちょっと多くなってます。殆どマルツで買ったので律儀にビニールに覆われています。
事前に調べて行ったのですが、いくつかマルツになくて他の店を彷徨い歩くことになりました。
無かった部品は左端に見える560uF 200Vの超デカい自立型電解コンとバッテリバックアップ用のニッカド電池です。
昔からの部品屋である鈴商、日米商事を見ていたら偶々売っていたので買えました。運が良かったです。
特に鈴商は店舗販売が今月一杯とのことで、事実上最後の店舗訪問になりました。

さて、これから電源部のコンデンサ交換を行います。
コンデンサ実装前の電源ボードこちらがコンデンサ取付け前の電源基板の様子です。左側が電源入力側(1次側側)で右側が出力側になっています。真ん中で絶縁されている典型的な絶縁電源です。主コントロールICは三菱電機のM51995。現在でもルネサスでデータシートを拝む事が出来る超古代(?)の電源用ICです。今はさすがに保守廃止になっていますが、マニュアルは2008年まで更新されているので、そこまでは売っていたということになります・・・すごい石ですね。

コンデンサ実装後の電源ボードコンデンサ実装後。コンデンサは10個しかないのですが、上述の560uF 200Vコンデンサが物凄く大きいため、部品がギュギュっと詰まった感じになりました。・・・値札を付けたままなのでいくらだったかもろばれですね。この状態では電源を入れられない(入れられるがコワイ)ので、元の箱に入れて緊張の電源投入!を行います。
電源筐体に格納
電源の調整通電したところ、無事にファンが回りだし、出力が出てきたのでほっと一息です。テスタで電圧を測定すると+5Vが5.8V程度、+12Vが11.80V程度、-12Vが-11.7V程度でした。5Vが過電圧気味です。本体横に電圧調整用のボリュームがあるので回して調整します。ところがこのボリューム、27年も摺動されていなかった事から接触がちょっと悪くなっており、電圧が安定してくれません。
なんどかボリュームを回すと漸く安定してきたので、+5Vがピッタリぐらいになるように調整して完了としました。

本当へ装着本当は本体側のバッテリバックアップ用ニッカド電池やコンデンサも交換したいところですが、今日は時間がないのでまずは本体側は交換せず電源を入れてみます。

起動!
恐る恐る電源を入れると・・・「ピコッ」っと元気よく電源が入りました。メインボードは無事のようです!10年ぶり、27年前の機体が動く様子に感動です。持ってきていた5インチフロッピィディスクのアプリをいくつか動かして遊んでしまいました。
PC-98DOの5インチディスクドライブは世代としては中期ぐらいのイメージですが、3.5インチのものと比べるとヘッドのアンロード機構も備えており、アクセスする度に周囲へ重厚なサウンドが響きます。昔のコンピュータが動くという感覚をリアルに感じる事ができますね。

5インチフロッピィはシャッター等にも守られておらず、非常に弱いイメージでしたが、持ってきたディスク10枚程度は全てちゃんと動作。3.5インチとの違いも分かりました。3.5インチは10枚もあると1~2枚は死んでいるケース(過去PC-286nf, UVで動かした結果)があったのですが、記録密度が低い事が上記保存にプラスに働いている感じがしますね。

次回は本体のコンデンサを交換します。

(K)

今週の活動報告(2015/11/21)—その1 PC-9801UV変換番長の導入

会長です。
遅くなりましたが今週の活動報告を致します。
今週も盛りだくさんだったのでいくつかに投稿を分けます。

○変換番長の導入
先日SCSIインタフェースを取り付けたUVのネタです。
クラッシックPC救済委員会が作っている変換番長を取り付けることにしました。
変換番長はCFカードをSCSIインタフェースやSASIインタフェースに変換する事が出来るボードです。
ちょっと値段がお高いのですが、今日日リアルのSCSI/SASIドライブは入手が難しく、また、耐久性の問題もあるのでレトロPCを長く使うには必須のアイテムと言えるでしょう。秋葉原へ買い出しに行ったついでに購入しました。
変換番長のセット

 こちらが変換番長のセットです。ウィットに富んだ取扱い説明書, 赤い本体のボード。そしてオプションである外付け用のアクリルパネルと変換コネクタで構成されています。
ボード部はレギュレータとレベルシフタの他はAlteraのFPGA(Cyclone)が搭載されているシンプルな構成です。Cycloneで変換機能を担っているものと思われます。

UVでの認識#UVのフロントマスクと第二ドライブは修理の為に取り外し中

 変換番長はDIPスイッチにより様々な設定ができますが、PC-98用の最大設定では4台のSCSI IDを設定する事ができます。実際に動かした様子がこちら。
CバスSCSI IFN-SCのイニシャル画面で0-3番のIDが認識出来ている事がわかります。本日はMS-DOSのインストールディスクを持ってきていないのでここまでです。MS-DOSの新規インストールなんて二十年ぐらいやってませんが、なんかワクワクする感じですね。

以下おまけです。秋葉原に行ったついでにGR-SAKURAのケースも買ってきました。
GR-SAKURAの透明ケースLAN, USB, ACJack, シールド用拡張コネクタ部がちゃんと穴が空けられています。
変換番長とGR-SAKURA(ケース入り)アクリルケースを付けた変換番長と並べてみるとなんとなく様になる感じです。眺めていたら、GR-SAKURAを使ってレトロPC向けのなにか工作をしてみたくなりますね。

(K)

今週の活動報告(2015/11/07)—コンデンサの撤去

会長です。
今週の活動報告をします。

今週からPC-98DOの電源部とUVのドライブ修理を行います。
まずはDOの方です。
先週、メインボードのニッカド電池が腐って漏れているのと、電源部の電解コンデンサが同じく漏れていることを報告しました。今日は容量をチェックしてハンダで撤去していきます。
ニッカド電池を撤去した後  こちらはメインボードのニッカド電池が付いていたところ。ニッカドは早速ハンダで外しました。当時は思いっきり鉛半田だったので、熱容量が比較的大きくてもすぐに外れます。いい時代です。(環境汚染的には良くないのでしょうが)
歯ブラシでガンガンこすります跡を見るとちょっと緑青が出ていますがこれであればエタノールと歯ブラシでおちそうです。マサ氏の指導を受けながらゴシゴシして落としていきます。
ハンダでコンデンサの足をあっためて撤去します  続いて電源基板です。搭載されている電解コンデンサは全部で10個。回路がシンプルなので数が意外に少ないです。当時は力率改善回路(PFC)等も搭載されていないため、単純なDC/DCコンバータになっています。また、5V, 12V, -12V出力を作るのにパワーモジュールと思わしきものを使っていることもシンプルな回路実現に一役買っているように思えます。
フラックスリムーバで洗浄しています
最後はフラックスリムーバなどを掛けてやはりブラシとウエスでゴシゴシします。写真では分かりにくいですが非常にきれいに落ちました。
撤去したコンデンサとニッカド電池
こちらが今回撤去した電源部の電解コンデンサとニッカド電池です。電源部のコンデンサは半分ぐらい足元から盛大に漏れていました。漏れていないコンデンサも27年経過しているので一緒に変更してしまいます。

コンデンサの手配を行い、手に入り次第交換を行う予定です。

(K)

今週の活動報告(2015/11/03)—その2 PC-98DOを見る

さて、続いてPC-98DOの方を見ていきましょう。
本機は会長のパソコンの師匠と呼べる友人から譲り受けた機種です。ジャンクで手に入れたPC-HD040Lと一緒に使ってました。しかし、引越しに伴い、置く場所がなくて電源を入れなくなっていました。最後に電源を入れてから9年以上が経過。予想通りと言えば予想通りなのですが、電源ボタンを押しても電源LEDすら点灯せず、まったく起動してくれない状態になっていることが今回の祭で分かりました。ちょっと悲しい。。。早速故障状況を確認するためにばらします。
PC-98DO+PC-HD040L PC-98DOはPC-98の歴史の中ではかなりの異端児です。この機種の最大の特徴はPC-88シリーズとのハイブリットになっていることです。登場したのは1988年。当時、PCのメインストリームは既にPC-98(16bitアーキテクチャ)で、8bitアーキテクチャであるPC-88シリーズはシリーズとして終焉に向かってました。PC-88のメイン用途はゲームでしたが、そういった層をうまく取り込み、PC-98シリーズにスムーズに移行させるものとして本機が登場したものと思われます。1粒で2度おいしい・・・となるはずでしたが・・・うまくいかなかった様子。現に本シリーズは次のPC-98DO+のみで終わっています。
不遇に終わってしまった理由をいろんなサイトさんが書かれていますが、筆者が考える最大の問題は性能と拡張性でした。
本機が登場した当時、PC-98シリーズのフラグシップ機は既にi386 20MHzを搭載していました。それに対して本機はV30 10MHz・・・。MS-DOSの通常のオペレーションであればそれほどの差は出ません(注:主観です)が、ゲームでもグラフィクスを駆使したものは苦しく、表計算やワープロもちょっともっさりという感じでした。
PC-98DO中身 次の問題である拡張性は中の構造に関係しています。本機はPC-98の他機種と異なり、ドライブが横に並ぶ構造になっています。そのため、貴重なCバススロットが1個しかありません。当時、追加したい機能の筆頭はHDD I/F(SCSI), 1MBフロッピィディスクインタフェースボード, NetWare(LAN)でしたがどれか一つしか使うことができず、長く使うことが必然的に難しい状態でした。筆者はSCSI2を増設し、他のPCとはRS-232C(Maxlink)で接続していましたが、本機がi386-20MHzでCバスが2本あったら・・・もうちょっと使っていたかな~と思ってます。最も、コストが掛かるPC-88の機能を搭載した上で、当時としては廉価な価格設定を実現するため、値段が安いV30と周辺チップしか選択できなかったのではとも思いますが・・・。PC-98DOメインボード メインボードを見てみます。本機はPC-98の機能をV30CPUと周辺チップセットで実現しており、PC-98機能を司るカスタムチップ(uPD9012, 9013, 9014)はUVと同様なものが搭載されています。一方、PC-88のCPUはZ80であるため、NECの互換チップuPD70008も搭載。見慣れないPALチップやカスタムチップがあるので、これでPC-98とPC-88を同居させているように見えます。かなり苦心した作りに思えます。当時のカスタムチップ(恐らくゲートアレイでしょうけど)は高かったろうな~。
PC-98DOバッテリバックアップ部の腐り 起動しない原因とは思えませんが、メインボード右下にあるRTC(時計)とRAMパラメータを保持するニッカド電池が腐って液漏れしていました。まだ軽度な液漏れですが、貴重な基板が壊れるので早々に撤去が必要です。
PC-98DO電源部最終的に見つかった戦犯(故障原因)は電源ユニットでした。破裂したコンデンサがいくつもあり、漏れた電解液で基板がべっとり濡れています。これでは電圧上がらないわけです。というより、よく基板が原型を保っていたと思います。登場してから27年。その大半の年月で電解液が漏れた状態にあり、常に冒されていたものと思います。部材調達をしないと交換も出来ないので今日はこのまま閉じます。

工作というより修理ネタになりつつありますが、しばらくお付き合い頂ければと思います。

(K)

今週の活動報告(2015/11/03)—その1 PC-9801UV11を見る

さて、今回マサ氏が購入したPC-9801UV11を見ていきましょう。
購入した機体はジャンク扱いとなっていたもので、FDD2(Bドライブ)が不調とのことでした。それ以外は特に問題がなく、電源を入れると元気に「ピコ」音が出ました。PC-286NF復活の時に使ったソフトをいくつか起動させてみますがどれもちゃんと動きます。PC-9801UV11  UVはコンパクトデスクトップと呼べる機種で当時のPC-98系デスクトップでは最も小さいサイズでした。UVは何世代かあり、初代は通常の横置きのみできたのですが、後期である本機は縦に置くことも考えられており、機種名やロゴが斜め書きになっているのに加え、側面にもゴム足がくっついていました。PC-9801UV11側面のゴム足※写真のゴム足はマサ氏が購入後に付け替えたもの

後にこのサイズはi386SXの世代まで継続され、PC-9801USで一度途切れます。当時、パソコンは拡張してナンボなところもあったので、コンパクトすぎて拡張性がやや低くなってしまう、本機のようなタイプはあまり人気がなかったのかもしれません。
その後、Windows 2000あたりからスリムタワーと呼ばれる本機のような機体が再び出るようになり、UVは先見過ぎたのかと思ったものでした。PC-9801UV11内部の様子 早速中身を見てみます。本機は一度マサ氏によって解体整備されているため、中は非常にきれいな状態です。小さい機体にFDD2機と電源、そしてでっかいCバススロットを備えている為、非常に詰まった中身になっています。FDD2が認識されないということなので、一旦全部ばらしてみます。
PC-9801UV11メインボード こちらがメインボードの様子。中央にV30(uPD70116)が鎮座しています。SDIP40pinという今ではほとんどお目にかからない堂々としたパッケージです。その上に同じサイズのソケットがあいてますが、こちらは数値コプロセッサ(i8087)を取り付けるためのソケットです。狭いのにコプロセッサソケットを用意しているというのは、本機がビジネス機としても使えるようにしているためでしょうか。残念ながら、FDD2は重症で簡単には直りそうになかったため、一度閉じてまたの機会に修理を試みます。CバスにIFN-SCをさしているところ 最後に会長手持ちのCバスSCSIをマサに進呈しました。こちらはPC-98DOで使っていたBuffalo(Melco)のSCSI-2 I/F IFN-SCです。90年代前半のインタフェースなのでPnPこそ対応してませんが、ほとんどの設定がグラフィカルに行えるという優れものです。でも、転送速度は所詮16bitバスなので・・・。(CPUも16bitなので当時はボトルネックではありませんでしたが・・・)
Cバススロットは本体をまったく開けずに増設できるのが最大の利点でしたね。

(K)